サイパンからのサイパン情報

今回は、実際のサイパンを知らない人のために、現地からのサイパン基本情報をお伝えします。サイパンは、ガイドブックなどでは「グアム、サイパン、、、」といったふうに、よく一括りにされていますが、実際は全く違った雰囲気を持っています。

グアムはアメリカの準州ですが、サイパンはアメリカの自治領であってアメリカではありません。スペインからアメリカ、アメリカから日本、そして現在に至り、ロタ島、ティニアン島を含む島々から成る北マリアナ連邦(コモンウェルス オブ ザ ノーザンマリアナ アイランズ)という国名になりました。

原住民であるチャモロ人をはじめフィリピン、中国、韓国、日本、アメリカなど様々な国の人が生活し、中でもフィリピン人やアジア系人が多い事から、アジアンビーチリゾートといった趣があるのも違いのひとつ。またグアム同様、戦争の影響を多く受け、今もなお島内のあちこちにその傷跡が残っています。

そのため慰問を目的に訪れる人々も少なくありません。太平洋戦争末期に数千人もの日本兵、民間人がアメリカ軍に追い詰められ身を投げた、プンタン サバネタ(バンザイクリフ)などでは、慰問に訪れる人と景勝地として訪れる人達が一緒にいるところを見かけますが、これは何とも複雑な心境です。因みに、慰問をされる方々の中に花束を海へ投じる方がいますが、これは北マリアナ連邦の法律では不法投棄になってしまうので気を付けてください。

サイパンの歴史は、ミドルロード沿い、砂糖王公園前の北マリアナ歴史文化博物館で当時の様子などを知ることができます。さて、このように、これまで他国によって翻弄されてきたチャモロの人々でも、とても陽気で優しく、物事をポジティブに考える人々が多いようです。

そんなチャモロの人達の好物といえばビール。仕事が終わればビール、気分が良くなってきてもビール、そして最後までビール。兎に角ビール好きで、休日になると親戚や友人達とビーチでバーベキュー。やっぱりそこでもビールです。一人あたりのビール消費量は世界でもトップクラス。それぐらいしかやることがないと言ってしまえばそれまでですが、そう考えてしまうは少しもったいない。

小さな島で観光に依存する部分が大きいこの島ですが、マリンスポーツ、エステ、ゴルフ、その他、色々な事が車で30分程の所で出来てしまうのも魅力だと思いませんか? また、日本語が通じる場所が多いのもツーリストにとっては安心できるポイント。ツーリストに流暢な日本語で接客しているのは殆どがフィリピン人か中国人、韓国人です。

サイパンは人件費が安いため(最低賃金が時給$3.05)多くの会社が海外からの労働者を雇用しています。その割には「物価が高いな〜」とよく言われますが、それは、小さな島なので需要も少なく輸送コストがかかってしまうためです。今では逆に「日本の方が安い!」なんて話も良く耳にします。

日本からサイパンに何度も遊びに来ている人たちに「サイパンの魅力」について聞いてみると、「グアムには無い雰囲気がある。」「のんびりできる。」「海が綺麗。」と言った答えが返ってきます。あまり開発されていない(開発が遅れているとも言えますが、、、)部分も魅力になっているのですね?!(う〜む、現地に住んでいると忘れがちな部分!)

また、サイパン在住の日本人の方々に、「サイパンに来るツーリストに求めるものは?」と聞くと、「兎に角のんびりしていって欲しい。」「楽しんでいって欲しい。」「また来て欲しい。」「沢山お金を使っていって欲しい(笑)。」と言う答えでした。

と言う訳で、現地在住の人と旅行者の考えに共通点があるからこそ、サイパンはリピーターの多いリゾートアイランドなのです。今回は、大まかにサイパンの成り立ちと現状をお伝えしましたが、次回からは、ローカルならではの切り口で、サイパンの生情報や細かい情報をお伝えできたらと思います。

(2001年2月9日)

 

私的サイパン指南