サイパンでのドライブ&道路事情

年に数回海外旅行へ行かれる方が珍しくなくなってきました。特にグアムやサイパンは日本から3~4時間で行け、時差も1時間しかなく短期間でも十分楽しめると、リピーターが増えてきています。現地での移動手段としては、シャトルバスを利用したりオプショナルツアーで観光地を回るのが主体です。何回も訪れているうちに、自分で自由に行動したいと思う気持ちは、きっと誰にもあると思います。

そんな時に役立つのがレンタカー。しかし実際に利用する人はそれほど多くないように感じます。理由は、「怖い」、「右側通行に慣れていない」、「事故を起こしたら厄介だ」、などですが、交通量の少ないサイパンなら意外と簡単。サイパンと日本の道路交通事情を自分なりに比べてみたのですが、日本の都市部は自動車も多く、また歩行者や自転車も多いですよね。その点サイパンは、自動車も歩行者も少なく、日本の様に急いで運転をする車も少ないです。現地在住者が加入する任意保険の金額も年間で$200~$250程度(割引無し)と安いです。理由の一つに、事故が少ないから保険料も安いのではないかと思います。

実際にレンタカーを借りて旅行を楽しんでいる人にいろいろ聞いてみたところ、「自由」、「便利」、「楽チン」、「どこでも行ける」、「左ハンドルも右側通行も意外とすぐ慣れた」、、、「ん〜納得!」という答えが返ってきました。

サイパン(北マリアナ連邦)の基本的な交通ルールはガイドブックにお任せして、今回は現地で役立つ運転のコツ、実際にあった出来事、道路事情などを紹介しましょう。
レンタカーを借りて、まず最初にやってしまうのが、ウインカーを出そうとしてワイパーを動かしてしまうことです。ここで笑いを取っても油断してはいけません。右側通行で一番大事なポイントが待っています。左側通行の日本人は交差点で安全確認をする時に、先に右を見ながら進入する癖がついています。まず左を見ることを心がけてください。そうすれば第一段階クリアです。
これは実際にあった友人の話です。赴任して間も無く中古車を購入。少々浮かれていた彼は、納車して中古車ショップから道に出る際、つい日本での癖が、、、次の瞬間、左から強い衝撃。そうです。右を見ながら道路に進入してしまったのです。幸い怪我は無かったのですが、また新たに車を購入したことは言うまでもありません。

続いて第二段階。サイパン(北マリアナ連邦)の道路には珊瑚が含まれているため雨が降ると非常に滑りやすくなります。雨が降ってきたら、または降っていたら、車間距離を普段以上に空け、カーブ手前では十分スピードを落としましょう。これは当り前のことの様ですが、珊瑚の混じった路面は本当によく滑ります。スリップしてジャングルに直行てしまったり、カーブでスピンして一回転。なんて話しも耳にします。あまり神経質になる必要はありませんが、日本よりもかなり滑りやすいということを頭に入れておいた方が良いでしょう。

第三段階。ガイドブックを見ると左折専用レーンの事が書いてありますがサイパンには一部にしか無く、あってもハッキリしません。基本的に無いものと思っていた方が大事には至らないでしょう。
これは私の失敗談ですが、サイパンに来て間もない頃、当然の事ながら左折専用レーンがあるものだと思い込んで、道路沿いのお店から、その左折専用レーンと思い込んでいる車線へ、、、あれっ? 前方からパッシングをしながら車が向かって来るではありませんか!?! 何やら車内のドライバーは怒っている様子。「なんだコイツー!」と思ったのも一瞬でした。私は反対車線に停車していたのです(事故にならずにヨカッタ、、、)。

これらのポイントを頭に入れておくだけで、大分事故に遭う確立が低くなることでしょう。レンタカー、今までとはまた違った旅行になる思います。

サイパンは大きく分けて、「ビーチロード」、「ミドルロード」、「クロスアイランドロード」の3つがあります。その全てが舗装されていて、気持ち良くドライブができます。

「ビーチロード」はサイパン一の繁華街「ガラパン」から南部の「ススぺ」チャランカノア」「サンアントニオ」を繋ぐ道路で、特に「DFSギャラリア」から「ススぺ」の間は海をすぐ隣に見ながら気持ち良く走れる区間。

「ミドルロード」は「ビーチロード」と平行し、また「クロスアイランドロード」の端と端をほぼ一直線で結び、島の北部まで続く片側2車線の生活道路。北部は昨年舗装された最も新しい道路。最北部の「マッピロード」へ続き、サイパンで唯一、制限速度45マイルの区間があります。メモリアルパークからの道路との交差点信号から「クロスアイランドロード」北端の交差点信号までがそれです。
「なぜこの区間だけ45マイルで走れるの?」と思う方もいるかもしれませんが、面白い噂話があります。サイパンのある権力者が、この区間でスピード違反で捕まり、その際「ここが制限速度45マイルじゃないのはオカシ〜!」と言ったそうです。しばらくして、この区間に制限速度45マイルの標識が立てられたと、、、。巷では「う〜む、サイパンらしい〜」と納得してしまう人たちが多いのが、これまた実にサイパンらしいです。

その北端から山へと向かう「クロスアイランドロード」。コーナーとアップダウンの続くワインディングロードです。キャピタルヒルから見たマニャガハ島は、本当に綺麗です。サイパン最高峰のタポチョ山(473メートル)へもここから行けます。また最北部の「マッピロード」も、素晴らしい眺めが堪能できるドライブコース。ドライブ以外でも、シャトルバスが停まらないようなレストランやローカルマーケットに行くことができたり、たくさん買い物しても荷物を持って歩かなくて済むなど、メリットはたくさんあります。

やっぱり車は超便利!

車の運転ができれば、あなたも旅行の達人の仲間入り。行動範囲も滞在スタイルも変わってくることでしょう。是非トライしてみてはいかがでしょう? 安全運転と自己責任で、リスクを素敵な滞在に変えてください。

さあ、次回はどんなネタにしようかな〜?! 乞うご期待!

(2001年3月16日)

 

私的サイパン指南