多文化融合の島 サイパン

こんな小さな南の島で、たくさんの文化を楽しんでしまおう!


サイパンに来島する観光客の方と話をしてよく聞かれるのが「島に何人ぐらい住んでいるのでしょう?」という質問です。

通常、「そうですねぇ、7万人くらいですかね」なんて日本人ツアーガイドさんが言っているのを聞いて、「ふ〜ん、かなり多いんだね」と言いながら話は終わっていくのですが、つい先日の晩、その話の続きをあらためて考えさせられました、、、


旧正月(2月12日)の中国系マーケット


それはガラパン銀座(第一ホテル前の繁華街)の飲み屋(某日本系居酒屋)で友人と飲んでいたら、ものすごい勢いで「バンバン!」とマシンガンのような音が外で響き渡り始めました。ほろ酔い気分で飲み屋から出てみると、繁華街の通りにある中国人経営のマッサージ屋さんが店の前で爆竹を鳴らしていたのです。

サイパンにはものすごくたくさんの中国人の方が出稼ぎにきています。その彼らが旧正月をお祝いしていたのです。その晩は遅くまであちらこちらで爆竹の音が響き渡っていました。

さて、その翌日は、彼らにとってのお正月です。中国系のマーケットの前には人が集まり、祝いの舞、ドラゴンが舞っておりました。この旧正月に関しては、中国人だけではなく韓国人もお祝いをします。


そこでサイパンにどんな人種がどれだけ住んでいるのか調べてみました。

2000年に行われた調査では北マリアナ連邦全体で69,221名。そのうちサイパン島に住んでいる人たちは全体の93%の64,324名だったそうです。そのサイパン島に住んでいる人口の内、55%の35,253名はアメリカ市民ではないそうです。

人種別に分けると以下のようになります。

フィリピン人 29%
チャモロ人 21%
中国人 19%
ミクロネシア人  8%
カロリニアン 5%
韓国人 4%
コーカシアン 3%
日本人 2%
他アジア人 2%
その他 7%


ドラゴンの踊りが飛び出したりします。


上記の通り、日本人は全体のたった2%。1,200~1,300名くらいの日本人が、サイパンに在住しているそうです。これだけ日本からのツーリストがいるのに、これしか日本人がいないんですね。この数字を見てあらためて気がつくのは、3分の1近くがフィリピン人ということです(このままだといつかフィリピン人の島になってしまうかも、、、)。


いやいや、この数字からすると、やはり旧暦を使う国民である中国人と韓国人がサイパン総人口の23%を占めており、次第に勢力を強めて第二の中国にもなり得るかも、、、(?!?) 現にフィリピン人に続き第2の勢力を占めるのですから、あれだけ派手にお祝いするわけなんですね。

サイパンでのお祝い事と言えば、宗教的にはキリスト教カトリック教徒優勢の国なので、3月終わりにはイースター(復活祭)、サンクスギビングデー(感謝祭)、クリスマス(キリスト誕生日)と、キリスト教中心の行事が続きます。
宗教別に見ると多くのチャモロ人とフィリピン人はカトリック教徒ですから、この島の大半を占める最大勢力の行事として最もポピュラーです。


ガラパンのクリスマス風景


全体のたった2%だからといって、日本人も負けておりませんよ!(といっても、勝ち負けではないのですが、、、(笑))


秋になると、シュガーキングパークにある彩帆(サイパンを漢字で書くとこうなります)香取神社では、毎年恒例の秋祭りが行われます。日本から神主さんが訪れ、在住の日本人の子供たちのために「七五三」のお祝いや、日本人会が中心となって出店を出します。

こういった行事は日本統治時代から続いており、日本人ならではの恒例行事として、今もなお行われています。


彩帆香取神社


こんな小さな北マリアナ諸島ですが、様々な文化が混ざり合い、一番近いアメリカでありながら、そこに集う様々な文化が織り成す行事や食を楽しむこともできる、不思議な場所なんですよね。

サイパンを訪れたら、その時々のサイパンの様子を注意深く見てみると、また違った楽しさを感じることでしょう。


ではまた、次回のサイパン指南をお楽しみに!

(2002年4月1日)

 

私的サイパン指南