昔から続く、ロタ流の「おもてなし」

今でもロタには、昔から続くロタ流の「おもてなし」があります。

今までご紹介しようと思いながらなかなかご紹介できなかった、とっておきの現地情報をお届けしましょう。

『ロタ フィエスタ』です。


ロタは、北マリアナの中でもちょっと特殊な島で、ここには本当の意味でのホスピタリティーが息づいています。10月の第2日曜日、島で一番大きな「サンフランシスコ デボルハ教会」において、年に一度の島中をあげたお祭りが開催されます。

この日曜日を含む週末は、サイパン、テニアン、グアムをはじめ他の地域からも、たくさんの人々が島を訪れます。

島民たちは、来島者にご馳走を振る舞い、おもてなしをします。それがチャモロ人だろうが、カロリニアン人だろうが、アメリカ人だろうが、日本人だろうが構いません。

人種や国籍を超え、すべての人々にもてなすのがロタフィエスタであり、ロタ流のおもてなしなのです。


食事の際、島民の皆さんは、島を訪れた人たちから食べてもらうようにと、先にお皿に盛るように勧めてくれます。とても親切です。

えっ? そんなに至れり尽せりで、入場料は幾らかって?!?

普通、気になりますよね?! そんなことを口にする島の人は誰もいません。もてなすと言ったら徹底的におもてなしする。これがロタ流の「おもてなし」なんですから、、、(スゴイ!)


圧巻! 豚の丸焼き。

珍しいヤシガニのココナッツミルク煮と、サバナ高原で獲れた鹿肉のケラグエン


前日の土曜日にも所狭しと食事が用意され、ダンスや歌などで夜遅くまで盛り上がります。

食事は教会の近くの広場に用意されるのですが、これとは別に、各家々、親戚同士が集まって、家でもBBQをしたり食事を持ち寄り楽しみます。


これらのたくさんのご馳走は、信者(島民のほとんどがカソリック)たちが手分けをして用意します。

各家ごとに、自分たちの得意とする料理があります。このような行事が毎年行われているせいもあるからだと思いますが、島の人たちは、各家庭の得意料理をちゃんと知っています!


例えば「チャモロ ライス(レッドライス)」ひとつをとっても、家々で味付けが異なり、「誰々の家のレッドライスは美味しい」とか、「レッドライスは何処そこの家に作ってもらおう」といった具合です。

 

これはスゴイ!
全長4m、体重150kgの大物カジキマグロの船盛り〜!


このフィエスタの時期は、ロタ島内での鹿やヤシガニの狩猟解禁時期も重なり、これらの「珍味」とされる料理もふるまわれます。

こういったおもてなしが、燐島のグアムやサイパンなどからも、たくさんの人たちを呼び寄せる理由になっているんですよね。話によると、昔は「フルーツこうもり」の料理なんていうのもあったそうです。

 

取材していたAbikaさんもこんなにたくさん、、、でも、あっさりたいらげたとか?!(笑)


本番の日曜日は、朝から島中が穏やかな雰囲気に包まれます。

島民たちが教会に集まり、ミサが行われます。いつもは裸でその辺をうろうろしているチャモロのオジサンも、今日ばかりはアロハを着て教会の中で膝づいています。


この教会の鐘ですが、何と大砲の弾が使われています。

ちょっと古いですが、『なるほどザワールド』でも紹介されましたので、覚えている方もいるのでは?!


そして長〜い、長〜いミサが終わると、ようやくお食事です。

聞くところによると、ロタに住む日本人の有志が、早朝よりザ ロタ ホテルに集まり、豚汁や肉じゃが、おにぎりを作って提供しているそうです。

皆さんその美味しさを知っているからでしょうか、いつも真っ先に無くなってしまうそうです(もしかして、ここでも日本食ブーム?!)。


去年から、この本番の日曜日だけは、アルコール禁止となっています。

前夜よりは落ち着いた雰囲気で、余韻を楽しみながら、フィエスタが終わっていきます。


ロタ。マリアナに昔から受け継がれてたホスピタリティーが残る、唯一の島といっても過言ではありません。

世知辛い世の中、日々の忙しさに、私たちが忘れていた大切な何かを思い出させてくれる、そんな島です。一度でも訪れたなら、またきっと帰ってきたくなりますよ。

 

こんな素敵な笑顔に会える島です。


今回も、ロタ愛好家のAbikaさんから最新レポートと写真をご提供いただきました。もっとロタの詳しい状況が知りたい方は、『Abikaの部屋』に即アクセス。いつもご協力いただき、どうも有り難うございます!



それではまた。次回の『私的ロタ指南』をお楽しみに〜!

(2004年10月21日)


私的ロタ指南